KIKKA WORKS

DIARY

これまでにない連作

今年の春あたりから、これまでになく継続的に仕事をさせて頂いているお客さまがいます。
デスクのご注文から始まり、テレビボード、ダイニングセットと連続して、デザイン提案→製作→納品、そして次へという流れで、とてもありがたいペースで仕事をさせて頂いています。

こちらがデスク。
ご愛用のチェアに合わせて製作させて頂きました。

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四方転びになった側面。
ここは製作的にはとても苦労した部分。
そこに引き出しもついていて、もちろん引き出しの形も不定形。。。

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こちらはシンプルなTVボード。
必要な機器を機能的に納めることを目的に、ちょっと遊び心で引き出しを組み込みました。
裏には配線がきれいに納まるルートと配線スペースを設けています。

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取り付けにはちょっと苦労しましたが、、、
計画通り配線がすっきり、機器も無駄なく並びました。

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そしてこちらも個性的な機能となったダイニングテーブル。
いつもは2〜3人、子供たちが帰って来たら5人で、と人数の変化に対応してスペースを有効に使えるよう折り畳みのテーブルとしました。

しかも畳み方がかなり個性的です。
こんなテーブルはきっと世の中にありません!

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いろいろと初めての試みで、大変なことも多いですが、挑戦させてもらえることがとってもありがたいです。
どう具現化しようか、とぐっと思い悩む時間が多いほど、それを形にできた時の喜びは何倍にもなって返ってきてくれます。

これまでの連作それぞれに思いが強すぎて、簡単にまとめられずずっと公開できずにいました。。。
とにかくまずは写真だけでも!と、やっとアップすることに。
それぞれに熟考した点についても、また機会があれば追記したいと思っています。

そして、次はリクライニング機能をもったソファ!
こちらももちろん新たなデザインのオーダーメイドになる予定です。

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SGデスクの製作

今回で3回目となるSGデスクの製作。
このデスクはここ一年で一番気に入っているシリーズ。

円弧型の貫材がデザイン的にも構造的にも特徴となっている、とてもシンプルな家具です。
円弧の曲げ加工が大変ですし、貫と脚の接合部の難易度が高く、デザイン・構造・製作の三拍子揃ってキモとなる部分。
でもここ以外はとてもオーソドックスでスムーズに製作できるので、色々と納得しながら取組める家具です。

積層曲げ

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脚と貫の仕口

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ここまできたら成形

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組立てて、目違払いと研磨

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台数は2台。
ご姉弟の勉強机なんです。
並べて配置するわけではないのですが、天板は同じ板で繋がった木取りに。

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見せ場となる部分に手間をかける
当たり前のようで実際に作業に直面していると、なかなか納得できるバランスで仕事を進められることってそうそうありません。
でも自分でデザインしているからこそ、自分で作るからこそ、そこもしっかりと納得できるバランスを追求したいと思っています。
そうでないと作ることもデザインすることも「続ける」ことがとっても難しいように感じます。

子供椅子:座椅子バージョン

子供椅子の製作に入りました。
こちらが検討段階の原寸試作。

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椅子以外は3Dモデルや模型・図面などを活用し、部分試作くらいで製作に入ったりするのですが、椅子に関しては原寸をきっちり製作してみないと詰めきれません。

実際は椅子以外だって、製作してみて初めてわかることがたくさんあって、2回目3回目と製作を繰り替えすことでじっくり完成していくのが本当のところ。

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こんなディテールで、厚みや角のRの大きさ、面取りの大きさなどを検討したり。

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そしてとりあえず我が子で試して再検討。

今回は座椅子・座卓式の勉強机セットが、通常の高さにもなるよう椅子も机も脚を追加できるデザインです。

入学に合わせてこの時期にご注文が重なるのですが、一年生から個室で静かに机に向かって、とはならないですよね。
ご両親の近くのリビングで宿題などをするスタイルは、今は割と一般的です。

今回はリビング横の和室に置いて、家族で机を囲んで学んだり遊んだり、からスタートできる勉強机セットをご提案。
セットの引出し収納や本棚なども、家具の変化に合わせて色々な組合せができる内容になっています。
今までにない家具になりそうで、完成が楽しみです。

角度の加工

木工の加工で難しいものの1つが角度のついた加工です。

今回も「四方転び」といって2方向に均等に角度のついた脚のデスクを製作するので、脚の上端だけでなく周りとの取合い部が全て角度付きの加工になってしまいます。

これは長円型の貫がささる、脚のホゾ穴の加工写真。
この後この脚は旋盤で丸脚になるので、胴付きとなる段がきを加工しています。

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よく木工では「治具」といって、特殊な加工を安全にスムーズにするためのガイドとなるものを製作します。
製作するものを作るための道具を作る、といった感覚です。
その治具があればいつでも同じ加工ができるのですが、ちょっとでも設計を変えてしまうと治具を全部作り変えなければなりません。。。

ちょこちょこと設計を更新するキッカワークスでは、これは大きな悩み事。
なので、極力木工機械とバイスなどの固定具を活用して、精度を保って再現可能な方法をとるようにしています。

上の写真でも転びの治具を使わずに、角度のつけられるバイスを活用しています。
材料を固定して加工物を運行できる機械を揃えているのもそのため、手で動かす方法の中ではなかなか選択肢が広がりません。

ちょっと専門的になってしまいましたが、どうやって作ろうか、、、と工夫を凝らして加工方法を考えること自体も、家具を考えるのと同じくらい好きな仕事です。

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