KIKKA WORKS

DIARY

チェリー造作取付

6月のはじめに東京まで造作を取付に行ってきました。

チェリーの存在感を活かしたシンプルなデザイン。
製作自体もタイトで大変でしたが、現場仕事となる造作は取り付けるまで心配で。。。

単品家具なら設計図通りに、垂直水平に、きっちりやればそれに応じた精度の製品が作れますが、
現場には厳密には直線・直角なんて無いんですね〜
そんな微妙な面に合わせて納めるのは、また全然違った難しさがあります。
工房の機械の整った状況で加工することもできませんし、ましてや切り過ぎたらお終い。。。

と、緊張して臨んだ現場でしたが、色々と準備もしていったのでなんとかきっちりぴったし納まりました。

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セッティングして実測して、いよいよカット!

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奇跡!といっては職人として大げさですが、建築に合わせて台形のような形に微妙に角度をつけてカット。
この緊張感と達成感は現場でしか味わえませんね。
引き出しも開き戸もきっちり納まりました。

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そしてこちらは玄関に置かれた小さな洗面台&ベンチ。

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現場取付でしかも東京で、とちょっと大変な仕事でしたが、現場のスケジュールに合わせて無事納品できて一安心。
残りの造作と家具は次弾となるので、また次に向けて製作です。

熊本県伝統工芸館での展示

もう随分前になりますが(3月)、熊本県伝統工芸館でのグッドデザイン賞受賞商品を集めた展示の様子です。
2013年に受賞したキツミ・ベビーチェアを展示してもらいました。

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さすがに行けなかったので、お客様の声も聞けてないし、なんだか実感のない展示になってしまったのですが、
先日熊本からのお問合せが入りました!

ちゃんと見てもらえて、気に入ってもらえる方がいるんだな〜としみじみと嬉しくなりました。

丸太から家具へ スタッキングチェアSOU

スタッキングチェアSOUができるまで。
丸太から、製材、乾燥、木取り、分決め、加工、組立、仕上、塗装。
書くと簡単ですが、それぞれ適切な時間と手間をかけなければ良い家具はできません。

今回は飛騨のブナの丸太から10脚の椅子が出来上がりました。

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フランス 憧れのプルーヴェ編

パリにせっかく行くのだから、行きたいところは山ほど。。。
観光地・建築・美術館・本業の家具などなど
山ほどある中で、絶対見たいと思っていた1つがジャン・プルーヴェ

木工家具を作っていてなぜ?と思う方もいると思いますが、家具やデザインで誰が一番好きかと言われたらジャン・プルーヴェかな。
デザインはもちろんですが、職人で自社工場を持って自ら試作をしながら工業的に製作するスタイル、素晴らしいです。
デザインもただカタチのデザインでは無く、構造的にも製作的にも理にかなったデザインで、
個人的にはいい意味でデザイン的に洗練されすぎていないところに愛嬌を感じます。

そんなプルーヴェの商品は、ポンピドゥーに常設されているものを見ることができました。

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家具だけでなく、プレファブ建築の実物も展示されていました。
見れば分かる・組み立てれるディテール、合理的・生産的だけどそれだけではないデザインの力。

そして偶然発見したのが、ルーブルの地下にあるマクドナルド!
ここの家具全部プルーヴェの商品。。。
日本では考えられませんね。。。
日常的に使いこなされて、多少どころか結構使用感たっぷりの家具たちをみて、色々な意味でプルーヴェの商品の強さを感じました。

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そして工芸的な意識でもう一つ見たかったのが、ピエールシャローの「ガラスの家」
この方は建築家なのですが職人的にものを作ることに精通した方で、「ガラスの家」は金属職人のダルべとみっちりと組んで作っていったようです。
しかもこのダルべという方、エミール・ロベールという人のアトリエで鍛冶職人として修業していたのですが、このエミール・ロベールはジャン・プルーヴェが最初に修業した人でもあるんです!

そんなことからも絶対に見たい!とパリに行くことになって喜んでいたら、ここは見学は完全予約制、事前に問合せたところ6ヶ月前に予約が必要とのこと。。。
泣く泣く断念しましたが、もしかしたらと淡い期待をもって見学時間に勝手に行ってみました(笑)
ですが、やはり。。。フランスは固いんですね(ちゃんとしている)。。。おばちゃんに怖い顔で追い払われました。。。

でも門が開いて中庭に入って、この景色まで見れました!
ここまでとは残念すぎますが、必ずいつか再訪したいです。

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中に入れたみなさんが羨ましい。。。

ジャン・プルーヴェについても故郷のナンシーに自邸などがあるようですし、次の機会には色々計画的に廻らねば!

サンプル材

写真は無垢材のサンプル用に製作した板と部分ディテール。
会って工房で打合せできる場合はいいのですが、遠方からのご依頼の時はこのようなサンプルをお送りして確認してもらっています。

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デザイン提案や樹種の相談の仕方は、対象家具やお客様によって様々。
デザインや建築設計などをされている方は、細かいところまで気にかけるので、
左のように部分ディテールを作って、面の取り方や厚みのバランスなど、図面やパースだけでは伝えにくいことまで表現して確認したりします。

間違いの無いように、ちゃんとお伝えしたい、というのもありますが、
ものづくりの過程を楽しんでもらいたいというのが一番。

ものの成立ち、背景を知ってもらうことは、価値を感じてもらうのに必要なことです。
過程を楽しんでもらうことを含めて、家具を買って頂いていると思っています。

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