スタッキングチェアSOUができるまで。
丸太から、製材、乾燥、木取り、分決め、加工、組立、仕上、塗装。
書くと簡単ですが、それぞれ適切な時間と手間をかけなければ良い家具はできません。
今回は飛騨のブナの丸太から10脚の椅子が出来上がりました。
スタッキングチェアSOUができるまで。
丸太から、製材、乾燥、木取り、分決め、加工、組立、仕上、塗装。
書くと簡単ですが、それぞれ適切な時間と手間をかけなければ良い家具はできません。
今回は飛騨のブナの丸太から10脚の椅子が出来上がりました。
パリにせっかく行くのだから、行きたいところは山ほど。。。
観光地・建築・美術館・本業の家具などなど
山ほどある中で、絶対見たいと思っていた1つがジャン・プルーヴェ
木工家具を作っていてなぜ?と思う方もいると思いますが、家具やデザインで誰が一番好きかと言われたらジャン・プルーヴェかな。
デザインはもちろんですが、職人で自社工場を持って自ら試作をしながら工業的に製作するスタイル、素晴らしいです。
デザインもただカタチのデザインでは無く、構造的にも製作的にも理にかなったデザインで、
個人的にはいい意味でデザイン的に洗練されすぎていないところに愛嬌を感じます。
そんなプルーヴェの商品は、ポンピドゥーに常設されているものを見ることができました。
家具だけでなく、プレファブ建築の実物も展示されていました。
見れば分かる・組み立てれるディテール、合理的・生産的だけどそれだけではないデザインの力。
そして偶然発見したのが、ルーブルの地下にあるマクドナルド!
ここの家具全部プルーヴェの商品。。。
日本では考えられませんね。。。
日常的に使いこなされて、多少どころか結構使用感たっぷりの家具たちをみて、色々な意味でプルーヴェの商品の強さを感じました。
そして工芸的な意識でもう一つ見たかったのが、ピエールシャローの「ガラスの家」
この方は建築家なのですが職人的にものを作ることに精通した方で、「ガラスの家」は金属職人のダルべとみっちりと組んで作っていったようです。
しかもこのダルべという方、エミール・ロベールという人のアトリエで鍛冶職人として修業していたのですが、このエミール・ロベールはジャン・プルーヴェが最初に修業した人でもあるんです!
そんなことからも絶対に見たい!とパリに行くことになって喜んでいたら、ここは見学は完全予約制、事前に問合せたところ6ヶ月前に予約が必要とのこと。。。
泣く泣く断念しましたが、もしかしたらと淡い期待をもって見学時間に勝手に行ってみました(笑)
ですが、やはり。。。フランスは固いんですね(ちゃんとしている)。。。おばちゃんに怖い顔で追い払われました。。。
でも門が開いて中庭に入って、この景色まで見れました!
ここまでとは残念すぎますが、必ずいつか再訪したいです。
中に入れたみなさんが羨ましい。。。
ジャン・プルーヴェについても故郷のナンシーに自邸などがあるようですし、次の機会には色々計画的に廻らねば!
写真は無垢材のサンプル用に製作した板と部分ディテール。
会って工房で打合せできる場合はいいのですが、遠方からのご依頼の時はこのようなサンプルをお送りして確認してもらっています。
デザイン提案や樹種の相談の仕方は、対象家具やお客様によって様々。
デザインや建築設計などをされている方は、細かいところまで気にかけるので、
左のように部分ディテールを作って、面の取り方や厚みのバランスなど、図面やパースだけでは伝えにくいことまで表現して確認したりします。
間違いの無いように、ちゃんとお伝えしたい、というのもありますが、
ものづくりの過程を楽しんでもらいたいというのが一番。
ものの成立ち、背景を知ってもらうことは、価値を感じてもらうのに必要なことです。
過程を楽しんでもらうことを含めて、家具を買って頂いていると思っています。
本棚を製作しました。
全て面材で構成された、シンプルで、がっちりとした、すごく重たい本棚。
広いとは言えない工房での組立て作業も大変でした。
最近は角のディテールを角面にすることが多いです。
1mm程度の小さな面。
シャキッと見えるのと、入隅の見え方がきれいです。
子供家具や柔らかいデザインの家具にはボーズ面(アール形状)
小さな小さな角の形状だけで、全体の雰囲気がぐっと変わるんだから面白いです。
1/20・21と開催された「WOOD FURNITURE JAPAN AWARD 2016」のパリ展示に行ってきました。
アワード概要はこちら
展示空間のデザインは、今回の審査員でもあるエマニュエル・ムホーさん。
色とりどりの漢字(木の名前)や枝をモチーフとしたモビールがちりばめられた会場。
審査委員長の小泉誠さんの挨拶にてオープニングレセプションがスタートしました。
手前がキッカワークスのスタッキングチェア「SOU」
今回パリで展示することができ、現地の方々のご意見や色々と交流させてもらうことで、
日本人として自然と身に染み込んでいる日本的な趣向や気質が、ものづくりに現れていることを強く再認識させられました。
また、美術館や建築めぐり、メゾン・エ・オブジェなど、モダニズム建築から最新のインテリアまで駆け足で巡ってきました。
“本物”ばかりで物量もスケールも驚いてばかり、少し消化するのに時間がかかりそうですが、
頭の整理のためにも、フランスでの出来事を改めてアップしたいと思っています。
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