KIKKA WORKS

DIARY

子供椅子:座椅子バージョン

子供椅子の製作に入りました。
こちらが検討段階の原寸試作。

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椅子以外は3Dモデルや模型・図面などを活用し、部分試作くらいで製作に入ったりするのですが、椅子に関しては原寸をきっちり製作してみないと詰めきれません。

実際は椅子以外だって、製作してみて初めてわかることがたくさんあって、2回目3回目と製作を繰り替えすことでじっくり完成していくのが本当のところ。

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こんなディテールで、厚みや角のRの大きさ、面取りの大きさなどを検討したり。

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そしてとりあえず我が子で試して再検討。

今回は座椅子・座卓式の勉強机セットが、通常の高さにもなるよう椅子も机も脚を追加できるデザインです。

入学に合わせてこの時期にご注文が重なるのですが、一年生から個室で静かに机に向かって、とはならないですよね。
ご両親の近くのリビングで宿題などをするスタイルは、今は割と一般的です。

今回はリビング横の和室に置いて、家族で机を囲んで学んだり遊んだり、からスタートできる勉強机セットをご提案。
セットの引出し収納や本棚なども、家具の変化に合わせて色々な組合せができる内容になっています。
今までにない家具になりそうで、完成が楽しみです。

角度の加工

木工の加工で難しいものの1つが角度のついた加工です。

今回も「四方転び」といって2方向に均等に角度のついた脚のデスクを製作するので、脚の上端だけでなく周りとの取合い部が全て角度付きの加工になってしまいます。

これは長円型の貫がささる、脚のホゾ穴の加工写真。
この後この脚は旋盤で丸脚になるので、胴付きとなる段がきを加工しています。

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よく木工では「治具」といって、特殊な加工を安全にスムーズにするためのガイドとなるものを製作します。
製作するものを作るための道具を作る、といった感覚です。
その治具があればいつでも同じ加工ができるのですが、ちょっとでも設計を変えてしまうと治具を全部作り変えなければなりません。。。

ちょこちょこと設計を更新するキッカワークスでは、これは大きな悩み事。
なので、極力木工機械とバイスなどの固定具を活用して、精度を保って再現可能な方法をとるようにしています。

上の写真でも転びの治具を使わずに、角度のつけられるバイスを活用しています。
材料を固定して加工物を運行できる機械を揃えているのもそのため、手で動かす方法の中ではなかなか選択肢が広がりません。

ちょっと専門的になってしまいましたが、どうやって作ろうか、、、と工夫を凝らして加工方法を考えること自体も、家具を考えるのと同じくらい好きな仕事です。

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キッカワークスのオリジナルチェア

キッカワークスのオリジナルチェアの最新作が組み上がってきました。

曲面となった貫材が特徴的なSGチェア(仮)
同じコンセプトで製作したSGテーブルとシリーズとなる製品です。

今回2度目の製作なのですが、試作に近い初期バージョンから、構造的にもデザイン的にも細かく調整した新バージョンです。
まだ椅子張りと組合わせないとわかりませんが、なんだかよい雰囲気!

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それからこちらは、ストーブの周りに置かれた試作の椅子たち。
試作は針葉樹などの材を使って、木ネジなどの簡易な手法でサクサク組み上げてしまいます。
でもそんな最小限の強度だけを確保した作りの試作も、キッカワークスの工場では立派に「椅子」として活躍しています。

木ネジだってバカにできませんね。

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職人という仕事

木工を始めて日々思うことですが、「職人」という仕事は本当に大変です。
私は設計やデザインという仕事を経て、自分で製作する職人を目指したのですが、職人という仕事にかなり違う感覚をもっていました。

今思う職人像は「どんな加工も高い精度で際限なくこなしていけること」
何回でも何時間でも、同じ精度で淡々と持続できること、これは想像以上に大変なことです。

それなりに器用な人は、少しがんばれば上手くきれいに加工できますが、これをずっと続けられるかどうかが職人との分かれ道だと感じています。
その考えでいうと、私のように「自分の考えるデザインを形にしたい」という思いも、職人仕事からすると不純なことのように思えてしまいます。
職人は何を作るかではなく、どう作るかという局面に向かい続ける仕事のように思います。

そんな訳で、木工の仕事をすればするほど、職人として半人前な中途半端さを感じる訳ですが、この割合の中で自分らしさを見つけて仕事していくことが大切だなと思っています。

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折り畳みの展示台

折り畳みの展示台を製作しました。
簡単に畳めてさっと広げられる、それでいてちょっと個性的なもの、を目指してデザインしました。

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構造は単純ですが、連続する美しさがありますね。
脚は軽くするために、極力細く、針葉樹で製作しました。
少し不安でしたが、これだけ連続的に支持材が配置されるのと、三角形を形成することなどからか、天板と組合わせるととても強度のある構造になりました。
今回天板はシナの積層合板をメインに使ったのですが、軽さを目指すならここはフラッシュを活用すべきです。

試作のような仕上がりではありますが、サイズの自由度や、いくつか並んだ時の美しさなど、今後の展開が楽しみな製品になりました。

折り畳みの過程の動画を撮ったのですが、なかなかアップできる仕上がりでなく。。。
ご興味のある方には、詳しい資料や価格をお伝えしますので、問合せフォームより連絡下さい〜

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